【OmniBook Ultra 14-kd レビュー】Core Ultra X9・64GBで“ローカルAI”まで見据えた最上位プレミアム
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見とれてしまうほどの美しいノートPC、しかもメモリ64GBのメモリのモデル。
アルミの塊から削り出したユニボディに、シルクサンドという落ち着いた新色。
中身は、HPの個人向けで最上位に立つ、Core Ultra X9 388H(コア・ウルトラ・エックスナイン・388エイチ)に、64GBメモリと2TBのGen5 SSD。
HP OmniBook Ultra 14は、攻めたPCと言っても過言ではありません。
残念なのは、現在、64GBのメモリのスプリームモデルが欠品中だということ。
64GBのメモリのモデルの購入できる人は少ないと思いますが、明らかにこのスペックは近い将来にスタンダードになっていくのを見据えた挑戦的な設計に挑んでいると思っています。
この記事では、実機の質感とベンチマーク、そして「冷却は手厚いのに給電は65W」というアンバランスの正体まで、MacやRTX搭載機との位置づけも交えて正直にレビューします。
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実機は日本HP様よりお借りしてレビューしています。
スペックは公式サイトより、ベンチマークは当サイトの実測値です。
同じ内容を動画でも公開しています。

製品概要・基本スペック一覧
HP OmniBook Ultra 14は、14インチのプレミアムなクラムシェルノートです。
2つの構成があり、今回のレビュー機は上位のスプリームモデルになります。
| 項目 | スプリームモデル (レビュー機・現在欠品) | パフォーマンスモデル (現在購入可) |
| 型番 | 14-kd0017TU | 14-kd0016TU |
| CPU | Core Ultra X9 388H (16コア・最大5.1GHz) | Core Ultra 7 356H (16コア・最大4.7GHz) |
| 内蔵GPU | Intel Arc B390 | インテル グラフィックス |
| メモリ | 64GB LPDDR5x-9600(オンボード) | 32GB LPDDR5x-8533(オンボード) |
| ストレージ | 2TB PCIe Gen5 SSD | 1TB PCIe Gen5 SSD |
| ディスプレイ | 14.0型 3K OLED (2880×1800・最大120Hz・ DCI-P3 100%・ 500nit・タッチ) | 同左 |
| NPU | 最大50 TOPS(Copilot+ PC対応) | 同左 |
| 質量 | 約1.27kg | 約1.27kg |
| 厚さ | 7.3〜10.7mm | 同左 |
| バッテリー | 最大30時間(動画再生)/ 45分で約50%充電 | 同左 |
| 電源 | 65W USB-C GaN ACアダプター | 同左 |
| 無線 | Wi-Fi 7 / Bluetooth 6.0 | 同左 |
| 端子 | Thunderbolt 4(USB-C)×3/ オーディオコンボ | 同左 |
| OS | Windows 11 Home | Windows 11 Home |
| 公式サイト | 当サイト7%OFF特別クーポン公式サイト | 当サイト7%OFF特別クーポン公式サイト |
スペックの土台は2モデル共通で、違うのはCPU・内蔵GPU・メモリ・ストレージの4点です。
価格はパフォーマンスモデルが27周年大祭りの割引で369,600円(税込)からとなっています(公式サイトより。販売状況は時期で変わります)。
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ブランド・シリーズ概要

OmniBookは、HPが個人向けに展開しているノートPCのシリーズです。
そのなかでUltra 14は、最上位に置かれたプレミアムモデルになります。
同じOmniBookのタッチパネルには、画面が回転して使える2-in-1のOmniBook X Flipもあります。
2026年のUltra 14は、あえて画面を開いて使うクラムシェルに振り切り、質感と完成度を磨き込んだのが特徴です。
タッチ操作には対応しつつ、ヒンジで回す構造を持たないぶん、剛性と薄さに集中できている印象でした。

立ち位置としては、HPの旧Spectreの流れをくむ、所有する満足感まで含めて選ぶ層に向けた一台です。
2-in-1のX Flipと迷う方は、別途公開しているレビューも見比べてみてください。
≫ OmniBook X Flip 14-kc(AMD) パフォーマンスモデル実機レビュー
製品の3つのポイント
実機を使い込んで感じた魅力を、3つに絞って紹介します。

ポイント1:ハイパフォーマンスと、それを長く支える設計

このモデルの一番のポイントは、瞬間の速さだけでなく、AIの利用や時間がかかる解析の計算を長くまわし続けることまで見据えた作りにあります。
CPUはレビュー機のCore Ultra X9 388Hが現行で最上位クラス。
内蔵GPUのArc B390(アーク・ビー390)は、内蔵としては別格の実力です。
さらに、64GBの大容量メモリが効いてきます。
生成AIのモデルを自分のパソコンの中で動かす、いわゆるローカルLLMでは、メモリにモデルを載せるため容量がそのまま効きます。
このローカルAIは内蔵GPUやNPU(AI専用プロセッサー)が働き続けるので、熱が出続けます。
クラウドのコーディングAIに長時間ジョブを投げる使い方でも同じです。
そこを支えるのが、後述するベイパーチャンバー冷却。
本来は専用GPUを冷やすためにゲーミングノートへ載る部品で、これを薄いビジネスノートに採用してきたところに、AIを意識した設計を感じました。
実際、他社でもPanther Lake世代で64GBを積んだAIミニPC(たとえばEVO-T2S・Core Ultra X7 358H搭載機)が「買ってすぐローカルLLMが動く」と打ち出しています。
このモデルもAI時代の流れを汲んだ一台と見ると、64GB+強力な内蔵GPU+手厚い冷却という構成はまさに今後のノートPCの本流を先取りしたモデルというように見えます。

HPには、発売直後よりも半年ほど経ってから評価が高まるモデルが毎年のようにあります。2年前のENVYは、まさにそういうモデルでした。
結果としてユーザーの認知が広がり、販売数もしっかり伸びています。
2026年は、このモデルがそのポジションになるのではないかと感じています。
常に少し先の時代を読んでいるのが、HPらしさだと思います。
ポイント2:スタイリッシュで所有感のあるデザイン

オブジェクトとして、置いておくだけで美しい。
アルミの塊から削り出したユニボディは、側面に向かう曲線がなめらかに流れていきます。


曲線美はデザインで1番レベルが高い技術。
まるで車のデザインを思わせます。
曲線は単なるデザインではなく、空気の流れを確保するたに必要なスペースを作り出しています。
ポートまわりの曲線は、ポートを差し込みぐちは削って、軽さと丈夫さを生み出しています。

シルクサンドという新色は、ありふれた黒やシルバーとは違うので、カフェで開くと自分のものだとひと目で分かります。
鍛造プレスのアルミにアルマイト加工が施され、指で触れるとひんやり締まった感触です。

第一印象は、写真で見るより質感が一段上、でした。
厚さは薄いところで7.3mm、いちばん厚い部分でも10.7mm。
質量は約1.27kgで、片手で持ち上げてそのままカバンに滑り込ませられます。
天板のロゴは金属から成形されていて、光を当てると静かに輝きました。

たわみに強いユニボディは、20項目のミル規格(MIL-STD)テストをクリアしています。

一般にミル規格(MIL-STD)に準拠のモデルは11項目。
このモデルがいかに丈夫なのかがわかります。
毎日カバンに放り込んで持ち運んでも、気をつかわずに済む堅牢さです。
さらに、80%の再生アルミと40%の再生プラスチックを使い、EPEAT Gold(climate+)とENERGY STARも取得しています。
美しさと環境配慮を両立しているのも、最上位モデルらしい部分でした。
指紋は、シルクサンドのマットな質感のおかげで、ピアノブラック系ほど目立ちません。
ポイント3:一日中ノーストレスで使える快適さ

ラティスレスキーボードは、キー周りの枠をなくした設計で、一つひとつが沈みます。
長文を打っても指が迷わず、打鍵音も静か。
キーボードはバックライト付きで、夜の機内や薄暗いカフェでもキーの文字がはっきり見えます。
ハプティックタッチパッドはパームレストとの段差がなく、手のひらを置いたまま指を滑らせるだけで操作できます。
バッテリーは動画再生で最大30時間(公称)。
朝に満充電で出れば、外で一日作業しても充電器を探さずに済みます。
詳細スペック紹介
詳細スペックを、上から順番に見ていきます。
ディスプレイ:14型 3K OLED・最大120Hz

画面は14.0型、解像度2880×1800の3K OLED(有機EL)で、タッチ操作にも対応します。
アスペクト比は縦に広い16:10。
ブラウザや資料を開くと、縦方向の情報量が多く、スクロール回数が減ります。

色域はDCI-P3 100%をうたい、当サイトの実測でもsRGB 100%、DCI-P3 100%、Adobe RGB 93%でした。
写真の色を確認する作業にも十分使えますが、印刷向けのプロ用途まで突き詰めるなら、Adobe RGBが93%で一歩届かない点は頭に入れておきたいところです。

輝度は公称500nit、実測でも約471nitと近い値が出ていて、明るい窓際でも画面が見やすい印象でした。

有機ELらしく黒がしっかり沈み、最大120HzのVRR(可変リフレッシュレート)でスクロールもなめらかです。
表面はCorning Gorilla Glass 3で、HP Eye Easeによるブルーライト軽減にも対応します。
CPU:2つのプロセッサーから選べる

CPUは構成によって2種類から選べます。
レビュー機のスプリームはCore Ultra X9 388H、買えるパフォーマンスモデルはCore Ultra 7 356Hです。
どちらも高性能コアと省電力コアを組み合わせた16コア構成のPanther Lake世代で、重い処理から軽い作業まで一台でこなします。
搭載されている新世代“Panther Lake”については、こちらで詳しく解説しています。
≫ Intel Core Ultra Series 3(Panther Lake)解説|Lunar Lake・Arrow Lake・Ryzen AI 300との比較
最上位のX9は最大5.1GHzまで伸び、内蔵GPUにArc B390を組み合わせです。
Core Ultra 7は最大4.7GHzで、内蔵はインテル グラフィックス。
普段使いや写真・軽い動画編集なら、Core Ultra 7でも動く性能です。
メモリ・ストレージ:オンボード64GB/2TB Gen5

メモリは、スプリームが64GB、パフォーマンスが32GB。
どちらも基板に直付けのオンボードで、購入後の増設はできません。
メモリはあとから足せないぶん、用途に対して少し余裕を持って選びたいところです。
規格は最新のLPDDR5xで、64GBモデルは9600、32GBモデルは8533で動作します。
オンボードのメモリは2025年から主流なので、最初からメモリの容量を決めるのをおすすめします。
オンボードメモリのメリットと、容量の選び方はこちらで解説しています。
≫ ノートPCのメモリオンボード化はなぜ進む?LPDDR5XとDDR5の違い
SSDはスプリームが2TB、パフォーマンスが1TB。

どちらもPCIe Gen5対応で、当サイト実測の読み込みは毎秒1万MBを超えました。
プレミアムのノートらしい速度です。
大量のRAW写真や4K素材を移しても、待ち時間をほとんど感じません。
グラフィックス:2モデルで“別物”になる要注意ポイント

内蔵GPUは、スプリームとパフォーマンスで規模が大きく変わります。
スプリームのArc B390はXe3コアを12基積んだ、内蔵としては別格の構成。
買えるパフォーマンスのインテル グラフィックスはXe3コア4基で、規模にして約3分の1にとどまります。
救いになるのは、動画の再生と書き出しを担うメディアエンジン(QuickSync)が388Hと356Hで共通という点です。
フルHDのH.264やHEVCといった標準コーデックの軽い動画編集なら、パフォーマンスモデルでもアプリ次第でこなせます。
一方、エフェクトを重ねるGPU処理、カラーグレーディング、4Kマルチカム、Blenderのような3D制作まで踏み込むなら、Arc B390のスプリームか、専用GPUを積んだモデルが向いています。

Adobe Premiere Pro 2026版はAI機能が追加された影響で、動作がかなり重くなっています。
快適に作業するには、GPU性能に余裕のあるPCの性能がほしいところです。
Premiere Proで作業する場合は、2025版を使うか、より軽い別の編集アプリを選ぶ方が現実的です。
パフォーマンスモデルの主役は、事務作業と写真編集です。
このあと載せるベンチマークのグラフィックス数値は、すべてスプリーム(Arc B390)の実測値です。
パフォーマンスモデルは、今回の計測値の約3分の1という感覚でみていただければと思います。
端子・通信:Thunderbolt 4を3基

端子はThunderbolt 4対応のUSB-Cを3つと、オーディオコンボ端子。


USB-C 1本で映像出力も給電もまとまるので、外部モニターとの行き来が身軽です。
ただしHDMIやSDカードスロットはないので、現場でメディアを直挿ししたい人は変換アダプターが要ります。
無線は最新のWi-Fi 7とBluetooth 6.0に対応します。
カメラ・サウンド・冷却

カメラは約500万画素のIR AIカメラで、顔認証のWindows Helloに対応。


物理プライバシースイッチとマイクミュートボタンも備え、会議前にカメラを物理的に切れます。

スピーカーはPoly Studioがチューニングしたもので、音楽も動画も気持ちよく鳴りました。
冷却には超薄型で省スペースなベイパーチャンバーを採用し、薄いボディからも熱を静かに逃がします。
ベンチマーク評価

以下の数値は、すべてレビュー機のスプリームモデル(X9 388H/Arc B390)での当サイト実測値です。
パフォーマンスモデルでは特にグラフィックス系のTime SpyやBlenderは、控えめになる前提で見てください。

CPUのCINEBENCH R23は、マルチコアが11,844、シングルコアが2,219でした。
シングルが高いので、アプリ起動やWeb表示がキビキビ返ってきます。
マルチも十分高く、写真の現像やフルHD動画の書き出しなら待たされません。
4K編集も対応できる範囲です。
ストレージはCrystalDiskMarkで読み込み約10,376MB/s、書き込み約8,823MB/s。
最高速クラスで、素材の読み込みでイライラする場面がありませんでした。

グラフィックスは3DMark Time Spyが4,378。

Night Raidは28,711、Steel Nomad Lightは4,586という結果です。


3D制作で使われるBlenderでは、monster 97.96、junkshop 66.78、classroom 41.44 samples/minでした。
内蔵としては気持ちよく回ります。
動画編集の実務に近いテストも回しました。
Premiere Proで約20分の動画を書き出したところ、所要時間は約3分18秒。
薄型のビジネスノートとしては速い部類で、フルHD中心の編集なら十分に実用的でした。

一方で、Steel Nomad Lightのストレステストはフレーム安定度77.0%で「不合格」判定でした。
注目したいのが温度です。
ストレステスト中のCPU温度は約56℃と低いまま。
瞬間的に94.96℃まで上がる場面は別の単発テストの立ち上がりで出た値で、持続負荷の最中は終始低温でした。
安定度77.0%という結果は、熱で性能が落ちる、いわゆるサーマルスロットリング(熱だれ)ではありません。
最初に高めの電力でブーストし、その後は消費電力を抑えた持続状態へ移る、電力リミット型の挙動です。
ベイパーチャンバーが温度を抑え込めているぶん、持続性能の天井は熱ではなく電力側にある、というのが実測から見えた姿でした。
| ベンチマーク | スコア(実測) | 体感の目安 |
| CINEBENCH R23 マルチ | 11,844 | 写真現像・FHD動画書き出しが快適 |
| CINEBENCH R23 シングル | 2,219 | 普段の操作がキビキビ |
| CrystalDiskMark 読込 | 約10,376 MB/s | 大容量素材の移動も待たない |
| 3DMark Time Spy | 4,378 | 軽いゲーム・動画支援はこなせる |
| Steel Nomad Light Stress | 安定度77.0% | 長時間高負荷では性能が落ち着く |
実使用感のレポート

普段の使い方では、ブラウザのタブをいくつも開いて、裏で書き出しを回しても引っかかりを感じませんでした。
タイピングは、ラティスレスキーボードの素直な打鍵感が気持ちよく、長文の原稿も指が疲れにくい印象です。
ハプティックタッチパッドの段差のなさにも、使うほど慣れていきました。
携帯性は文句なしでした。
約1.27kgで7.3mmの薄さなので、カバンに入れても重さを意識しません。

バッテリーは、小型で携帯しやすいです。
小型アダプターを買う必要がありません。
急速充電も45分で約50%まで戻るので、出かける前の短い時間でも継ぎ足せます。
※バッテリー駆動時間は使用環境により異なります。
クリエイティブ用途では、写真の現像やフルHD動画の編集が快適。
ローカルでAIを動かしたり、クラウドのコーディングAIに長時間ジョブを投げたりする使い方でも、64GBメモリの余裕が効いてきます。
発熱・静音性

普段の作業では、手のひらやパームレストが熱くなることはほとんどありませんでした。
定常温度は約56〜60℃で安定し、ファンも静か。
超薄型ベイパーチャンバーが、薄いボディから熱を上手に逃がしている印象です。
前述のストレステストでも、温度が約56℃と低いまま性能が一段落ち着きました。
性能の落ち着きは熱だれ(サーマルスロットリング)ではなく、消費電力を抑える設計によるもので、冷却そのものは余裕がある証拠でもあります。

64GBメモリだと、高負荷作業に振り切りたいところだけど、なぜ、65Wアダプターなんだろう。

付属の充電器は65WのUSB-Cで、本体の最大消費電力に合わせた携帯性優先の選択かなと思う。
冷却が手厚いぶん、ローカルAIのように長時間まわす負荷を想定すると、電力の枠が持続性能の天井になり、少しアンバランスに感じました。
参考までに、MacBook Pro(M5 Max)は96WクラスのACアダプターを採用しています。
「100Wに替えれば速くなる」わけではなく、本機はプラットフォーム側が約65Wで頭打ちになる設計なので、ここは余裕というより整合、という理解が正確かなと思う。
いま買えるのは「パフォーマンスモデル」|2モデルの選び方

購入の前に、いちばん大事な前提を整理します。
レビュー機の最上位スプリーム(X9 388H/64GB/2TB/Arc B390)は執筆時点で欠品中。
現在オーダーできるのは、パフォーマンス(Core Ultra 7 356H/32GB/1TB/インテル グラフィックス)だけです。
2モデルで共通なのは、削り出しの筐体、14型3K OLED、ラティスレスキーボードとハプティックタッチパッド、そして長時間バッテリー。
タッチ感のよい部分は、どちらを選んでも変わりません。
差が出るのは、CPUの上限・メモリ容量・SSD容量、そして前述したGPUの規模です。
CPU自体は、買える356Hでも16コアのPanther Lake世代。
写真現像、フルHD動画の書き出し、タブを開いたままの多タスクは、不満なく走ります。
分かれ目はGPUのほうで、重いGPU編集や3Dを日常的に回すなら、スプリームの再入荷を待つか専用GPU機を選ぶ判断になります。
64GBという容量についても、正直に書いておきます。
薄型の内蔵GPU機に64GBは、多くの人にとって過剰です。
手元でローカルLLMを動かすようなAI活用を見据えた、いわば実験的な構成といえます。
普段使いや一般的なクリエイティブ作業なら、パフォーマンスの32GBで足ります。

このモデルを設計したところがスゴイ。
将来を見据えた挑戦的なモデルであり、AIガチ勢でも小さいLLMを動かしてみたいという理想のモデル。
兄弟機 OmniBook Ultra Flip 14(fh)との比較

同じOmniBookのUltraには、画面が回転してペンも使える2-in-1、前モデルの OmniBook Ultra Flip 14-fhがあります。
価格帯が近いため、クラムシェルの14-kdと最後まで迷う人は多いはずです。
先に結論を言うと得意分野が違っています。
Flipが積むのはLunar Lake世代のCore Ultra 9 288V、GPUはArc 140V、重さは2-in-1ぶん少し増えます。
対する14-kdのパフォーマンスモデルは、最新のPanther Lakeで16コア構成。
CPUのマルチスレッドはPassMarkで356Hが約70%上回ります。
反対にシングルスレッドは288Vが僅差で上です。
内蔵GPUは、FlipのArc 140V(8 Xe2)が、356Hのインテル グラフィックス(4 Xe3)より上。
軽いゲームやGPU編集の快適さでは、買える14-kdよりFlipにアドバンテージがあります。
| 項目 | OmniBook Ultra 14-kd | OmniBook Ultra Flip 14-fh |
| CPU | Core Ultra 7 356H (16コア・Panther Lake) | Core Ultra 9 288V (8コア・Lunar Lake) |
| マルチスレッド (PassMark) | 33,845 | 19,842 |
| シングルスレッド (PassMark) | 4,044 | 4,287 |
| 内蔵GPU | インテル グラフィックス(4 Xe3) | Arc 140V(8 Xe2) |
| 形状・入力 | クラムシェル (タッチ対応) | 2-in-1+ペン |
| 参考価格 | 約369,600円〜 | 約344,880円〜 |
| 向いている人 | マルチコア性能・ 最新CPU重視 | GPU・ペン・2-in-1重視 |
選び分けはシンプルです。
GPU性能・ペン入力・画面を回す2-in-1の自由度が欲しいならFlip。
動画書き出しや多タスクで効くマルチコア性能と、最新世代のCPUを重く見るなら14-kd。
バッテリーはkdが公称30時間・実測15時間、FlipはLunar Lakeで効率は良いものの新モデルのほうが数値は上です。
なぜ64GBメモリのスプリームモデルだけ欠品しているのか

欠品中なのは64GBメモリと2TB SSDを積んだスプリームだけで、32GBのパフォーマンスは購入できます。
個人的見解ですが、単なる売り切れというより、64GBで手元の生成AIが動き、MacBook ProやM5搭載Macと張り合うローカルAIマシンになる一台、という位置づけが背景に見え隠れします。
64GBメモリのノートPCは、3DCAD や重いデータの解析など従来の使い方にプラス、AIというツールが乗っかってきました。
根っこにあるのは、2026年に深刻化したメモリ(DRAM)の価格高騰です。
生成AIサーバーにメモリ生産が吸い寄せられ、AppleもRAM不足を理由に2026年3月・6月にMacを値上げ、HPも64GB増設に約500ドルの上乗せと、メモリを多く積む上位ほど影響を強く受けます。
買えるパフォーマンスが369,600円(8%引き)と確定する一方、スプリームは希望小売652,300円(税込)が出ても再入荷未定の欠品で、最終価格は伏せられたままです。
米国市場が先行し日本はこれからという出方も含め、見立てはあくまで一個人の推測ですが、欲しいなら再入荷を逃さず、価格が一段上がる前提で予算を見たほうがよいと思います。
64GBメモリでローカルLLMは実際どこまで動くのか|EVO-T2S・Mac 128GBと比較

64GBを1.27kgの薄型に積む例は珍しく、ローカルAIを本気で見据えた構成です。
分かりやすい比較対象が、同じArc B390を内蔵する据え置きAIミニPC、GMKtecのEVO-T2S(64GB・総合180 TOPS・約1,899ドルで70B級まで対応をうたう)で、本機はその構成を持ち歩ける形に振った一台と言えます。
見落としやすいのが、容量と生成速度は別物だという点です。
64GBは大きなモデルを載せられる容量を決め、生成の速さを左右するのはメモリ帯域です。
OmniBook Ultra 14-kdやEVO-T2Sは概算で毎秒150GB前後、Mac(M5 Max)は約614GBと4倍前後の開きがあります。
7B〜32B級はOmniBook Ultra 14-kdでも快適に動く一方、70Bは載っても生成は遅くなります。
同じ64GBで横並びにすると、速さを決める帯域でMacが頭ひとつ抜けるのが分かります。
| 項目 | OmniBook Ultra 14-kd(64GB) | GMKtec EVO-T2S(64GB) | MacBook Pro M5 Max(64GB) |
| CPU | Core Ultra X9 388H | Core Ultra X7 358H | Apple M5 Max(18コアCPU) |
| メモリ | 64GB LPDDR5x-9600 | 64GB LPDDR5x-8533 (クアッドチャネル) | 64GB ユニファイドメモリ |
| メモリ帯域(目安) | 約150GB/s (概算) | 約136GB/s (概算) | 約614GB/s |
| AI処理 | Arc B390+NPU 50 TOPS | Arc B390+NPU 50 TOPS (総合180 TOPS) | GPU+ニューラルアクセラレータ |
| 形態・重量 | 1.27kg・持ち歩き | 据え置きミニPC | 14型ノート・約1.6kg |
| 参考価格(2TB構成) | 希望小売652,300円 (欠品中) | ¥389,419 | 879,800円 |
| 立ち位置 | 持ち歩けるローカルAI | 据え置き特化 | 最大級モデルを速く |
MacでローカルLLMを本気でやる定番は128GBで、70Bや長い文脈を余裕で扱えます。
本機と同じ64GB Macが879,800円、本命の128GB Macが1,167,800円。
規模ごとの快適さを価格と並べたのが次の表です。
| モデル規模 | OmniBook Ultra 14-kd(64GB) | Mac M5 Max(64GB) | Mac M5 Max(128GB) |
| 7B〜14B級 | 快適 | 快適 | 快適 |
| 32B級 | 快適(余裕は少なめ) | 快適 | 余裕をもって快適 |
| 70B級 | 載るが生成は遅い | 実用的な速さで動く (容量の余裕は少なめ) | 実用的な速さで、 容量にも余裕 |
| 参考価格(2TB構成) | 希望小売652,300円 (欠品中) | 879,800円 | 1,167,800円 |
持ち歩いて中小モデルを動かすのがOmniBook Ultra 14-kdといえます。
デスクトップで小さなモデルならEVO-T2SやMac、70Bを実用速度で長く回すなら128GB Macが本命です。
価格はセールや為替で動くので、購入前に最新の実売を確認してください。
ローカルLLMを使いたいのは、プログラマーだけではありません。
機密を含む資料を社外に出さず、要約・読み込み・把握だけしたいビジネスユーザーにこそ、手元で完結するローカルAIは効きます。
開発のように巨大なモデルを高速で回す必要はなく、中小サイズのモデルで十分です。
生成が多少遅くても、マルチタスクでほかの作業を進めながら待てば支障はありません。
64GBのスプリームは希望小売652,300円。
同じ64GBのMac(879,800円)より20万円以上、ローカルLLM本命の128GB Mac(1,167,800円)より50万円以上安く、しかも軽い。
2026年6月にMacがさらに値上がりしたいま、情報を外に出さずにAIを使える価値まで含めれば、本機の価格は十分に見合うと考えています。
Arc B390の他モデル
今シーズン唯一の優秀なグラフィックス。
同じArc B390を積んだ約1kgのモバイルノートが気になる方は、こちらのレビューも参考になります。
HPの法人モデルは個人でも購入できます。
≫ EliteBook X G2i 14 レビュー|約1kg・実測15時間・Arc B390搭載
価格とコスパ評価

価格は、パフォーマンスモデルが27周年大祭りの割引で369,600円(税込)からです(公式サイトより。セール・在庫は時期で変動します)。
最上位のスプリームは現在は欠品中です。
正直、メモリが大容量モデルは高価格で推移しているので、このスプリームモデルは確かに高価格だけですが、64GBメモリは他社でも高価格で、ストレージを2TB搭載しているモデルがありません。
それだけに欠品中というのが残念です。
美しくて丈夫なボディ、3K OLEDの体験、Windowsで64GB+強力な内蔵GPU+AIを意識した冷却を、1.27kgで持ち歩けるモバイルノートというのがポイントです。
良かった点
- 削り出しユニボディ+シルクサンドの所有感
- 14型 3K OLED(DCI-P3 100%・実測約471nit・最大120Hz)
- 実測リード約10,376MB/sの高速Gen5 SSD
- 64GBメモリ+Arc B390+ベイパーチャンバーでローカルAIまで見据えた設計
- 約1.27kg・最薄7.3mmの携帯性と最大30時間バッテリー
気になった点
- 長時間高負荷では電力リミットで持続性能が一段落ち着く
- 付属アダプターが65Wで、携帯性に寄せた電力枠
- 最上位スプリーム(X9/64GB/2TB)は執筆時点で欠品中
- HDMIやSDカードスロットは非搭載
スペックの数字だけでは伝わらない、触れた瞬間の気持ちよさが、このモデルの一番の魅力です。
向いているのは、パフォーマンスだけでなく使い心地までこだわりたい人、人とかぶらない色や形を持ち歩きたい人、外で一日中ストレスなく作業したい人。
最新の重いゲームを長時間遊びたい人や、AI学習・3Dをガッツリ回したい人は、専用GPU機を検討してください。
HPの他シリーズと迷う場合は、全体像から位置づけを確認すると、自分に合う一台が見つけやすくなります。
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よくある質問(FAQ)
今買えるのはどのモデルですか?
執筆時点では、最上位のスプリーム(X9/64GB/2TB)は欠品中で、Core Ultra 7/32GB/1TBのパフォーマンスモデルのみ購入できます。
在庫は時期で変わるため、最新状況は公式ストアでご確認ください。
メモリやストレージは後から増設できますか?
メモリは基板直付けのオンボードで増設できません。
購入時に容量を選ぶ必要があります。
SSDはモデルにより2TB/1TBで、どちらもPCIe Gen5です。
ローカルでAI(LLM)を動かせますか?
64GBメモリのスプリームなら、ローカルでの生成AIモデル運用に余裕があります。
32GBのパフォーマンスでもAI機能は使えますが、大きなモデルを手元で動かすならメモリは多いほど有利です。
ゲームはできますか?
内蔵Arc B390で軽いゲームは設定しだいで遊べます。
最新の重量級タイトルを高画質で長時間、という用途はRTX搭載機など専用GPU機が向いています。
付属の65Wアダプターで足りますか?
本体の最大消費電力に合わせた整合なので、普段使い〜写真・FHD編集なら問題ありません。
CPUと内蔵GPUを同時に長時間フル稼働させるような極端なケースでだけ、電力枠の余裕の少なさを感じます。
OmniBook Ultra Flip 14とどちらを選べばいいですか?
GPU性能・ペン入力・2-in-1の使い勝手を重視するならFlip、動画書き出しなどで効くCPUマルチコア性能と最新世代を重視するなら14-kdが向いています。
CPUのマルチスレッドは14-kd(356H)がFlip(288V)を約70%上回り、内蔵GPUはFlipのArc 140Vが上、という関係です。