【FMV Note Cレビュー:軽量約1.1kg】Made in Japan品質・24時間駆動、究極のシンプルを極めたノートパソコン
2025年1月、富士通が約30年ぶりにFMVブランドを大幅リニューアルし、その象徴として登場したのが「FMV Note C」です。
若年層をターゲットに「がんばる時間を、心地よい時間へ。」をコンセプトに開発されたこのモデルを、実際に使用してレビューしていきます。
【貸出機材提供:富士通クライアントコンピューティング株式会社】
こちらの動画↓でレビューしています。
FMV Note Cとは?新生FMVブランドの第1弾モデル
ブランドリニューアルの背景
富士通のFMVシリーズは1993年の誕生以来、IT技術の進化と共に歩み続けてきました。
今回のリニューアルでは、オンライン化が進む現代社会において、パソコンが「日本の暮らしや働き方に欠かせない大切なツール」へと進化していることを受け、新たな価値提供を目指しています。
2つのモデルが用意されている
FMV Note Cは2つのモデルがあります。
カタログモデル(FMV CZ-K1)
- 固定仕様:Core Ultra 5 + 16GB + 256GB
- 購入先:家電量販店・富士通WEB MART
- 特典:家電量販店購入で10,000円キャッシュバック(2025年4月20日まで)
カスタムメイドモデル(FMV WC1-K1)
- CPU:Core Ultra 5/7から選択可能
- メモリ:8GB/16GB から選択可能
- ストレージ:256GB/512GB から選択可能
- 購入先:富士通WEB MART限定
モデル名 | カタログモデル | カスタムメイドモデル |
型名 | FMV CZ-K1 | FMV WC1-K1 |
CPU | Intel Core Ultra 5 134U(固定) | Core Ultra 5 134U / Core Ultra 7 164U(選択可) |
メモリ | 16GB(固定) | 8GB / 16GB(選択可) |
ストレージ | 256GB SSD(固定) | 256GB / 512GB SSD(選択可) |
カスタマイズ | 不可 | 可能 |
詳細確認 | NoteC公式サイト | NoteC公式サイト |
FMV Note Cの3つの主要ポイント
1. 第1世代Intel Core Ultraプロセッサー搭載
FMV Note Cに搭載されているIntel Core Ultraプロセッサーは、第1世代のCore UltraでAI処理専用のNPU(Neural Processing Unit)を搭載している点が大きな特徴です。
このNPUは、ビデオ会議の背景ぼかしやノイズ除去、リアルタイム翻訳などのAI機能が、バッテリーをほとんど消費せずに動作します。
従来のCoreプロセッサーと比べて省電力性も向上し、長時間の外出でも安心して使用できます。
2. 優れたモバイル性能
軽量性と携帯性
約1187グラムという軽量性は、500mlペットボトル約2.4本分の重さで、片手でも楽に持てます。
厚さはわずか13.9ミリと雑誌1冊程度の薄さで、A4サイズピッタリの297×210ミリという寸法なので、ビジネスバッグや学生カバンにもスムーズに収納できます。
ファンレス設計による完全静音
特に注目したいのがファンレス設計です。
動作音がほとんどしないので、静かなカフェや図書館でも周りを気にせず作業できます。
大学生や在宅ワーカーには非常にありがたい仕様です。
アルミボディの高級感
アルミボディのスタイリッシュな質感も魅力的で、見た目にも高級感があります。
外側と内側で異なるバイカラーデザインを採用し、エクルベージュ、ミストグリーン、スモークグレーの3色から選択できます。
3. 日常使いでの実用性
最新通信規格対応
Wi-Fi 7対応で最新の高速通信が可能、電波干渉や回線の混雑を避け、安定した高速接続を実現します。
オンライン会議や動画ストリーミングでも快適です。
高品質音響システム
Dolby Atmos対応で高品質な音響で、映画やアニメを観る時には映画館のような立体的なサウンドが楽しめます。
セキュリティ機能
Windows Hello対応の顔認証機能を搭載し、赤外線発光部付きなので暗い場所でも認証可能です。
Webカメラには状態表示LEDがあり、プライバシーにも配慮されています。
独自AI機能アプリ
画面キャプチャやファイル検索などが瞬時にできるFloat Accessアプリも搭載され、日常の作業効率を上げてくれる機能が充実しています。
このFloat Accessアプリは、オンライン授業やオンラインミーティングで、ちょっとしたメモやスクリーンショットを撮るのに、とても便利です。
詳細スペックレビュー
基本仕様
今回レビューしたのはカスタムメイドモデルのCore Ultra 7搭載機ですが、基本的な設計思想はすべて共通しています。
共通仕様
- ディスプレイ:13.3型WUXGA(1920×1200)フルフラットファインパネル
- 重量:約1187g(全モデル共通)
- 薄さ:13.9mm
- OS:Windows 11 Home
- グラフィック:Intel Graphics(内蔵)
- バッテリー:64Wh リチウムイオン
ディスプレイ品質
13.3型のWUXGA(1920×1200)で、フルフラットファインパネルを採用。
高輝度・高色純度・広視野角で、屋外でも見やすい画面品質を実現しています。
USB-C経由で最大4K(3840×2160)の外部出力にも対応しています。
Webカメラ性能
フルHD対応で約207万画素の高解像度Webカメラを搭載。
Windows Hello顔認証にも対応し、パスワード入力不要でスムーズにログインできます。
実際のカメラ映像を確認したところ、Windowsエフェクトの背景ボカシ機能も正常に動作し、オンライン会議でもクリアな映像で参加できることを確認しました。
バッテリー性能
構成によって駆動時間が異なりますが、最も省電力なCore Ultra 5の8GBモデルでは動画再生で約15.1時間、アイドル時で約24.6時間の長時間駆動が可能です。
バッテリー駆動時間(JEITA 3.0測定法)
- Core Ultra 5 + 8GB:動画再生約15.1時間 / アイドル約24.6時間
- Core Ultra 5 + 16GB:動画再生約13.9時間 / アイドル約24.2時間
- Core Ultra 7 + 16GB:動画再生約13.6時間 / アイドル約23.9時間
急速充電にも対応し、約2.4時間でフル充電が可能です。
キーボード
キーボードは約19mmのキーピッチで、ストロークは約1mm。
82キーのJIS配列で、かな表記なしのすっきりとしたデザインです。
実際にタイピングしてみると、薄型ながら適度な打鍵感があり、長時間の作業でも疲れにくい印象です。
トラックパッド
トラックパッドは高精度タッチパッド機能で、ジェスチャー操作にも対応し、マルチタッチ・スクロール操作が快適に行えます。
[画像挿入位置: キーボードのアップ写真]
インターフェース
インターフェースはシンプルですが実用的で、左側面にUSB-C端子を2つ、そしてヘッドホン端子を配置。
USB-C端子はPower DeliveryとDisplayPort Alt Modeに対応し、充電と外部モニター接続の両方に使えます。
7.5W以上の電源があれば本体への充電が可能で、45W以上なら使用しながらの充電に最適です。
モバイルバッテリーからの充電も可能な点は、外出先での安心感につながります。
パフォーマンステスト結果
CINEBENCH R23
実際のベンチマークテストでは以下の結果を得ました:
- マルチコア:7,103pts
- シングルコア:1,399pts
この性能レベルでは、フルHD動画編集が実用レベルで可能、CADソフトでの修正作業に対応(設計作業は負荷大)、複数のOfficeアプリ同時起動でも快適に動作します。
3DMark Night Raid
グラフィック性能を測る3DMark Night Raidでは16,029スコアを記録。
これは軽量ゲームや動画編集なら十分な性能で、動画ストリーミングは4K再生も余裕、写真・動画編集の基本的な編集作業に対応できます。
ただし、重いゲームには不向きです。
ストレージ性能
CrystalDiskMarkでのストレージ性能は、シーケンシャルリードで約6,117MB/s、ライトで約3,692MB/sでした。
この性能は、OS起動は約10秒、大容量ファイルコピーは高速、アプリ起動は瞬時に行えます。
実際の使用感
良い点
1週間実際に使用してみた感想として、まず軽さが本当に印象的でした。
片手で持ち上げても負担を感じませんし、キーボードのタイピング感も良好です。
ファンレス設計のおかげで、深夜の作業でも音を気にする必要がありません。
カフェや図書館での作業時も、周囲を気にせず集中できる点は大きなメリットです。
バッテリー持ちも優秀で、朝から夕方まで充電なしで使用できました。
注意点
一方で、グラフィック性能は内蔵GPUなので、重いゲームや本格的な動画編集には限界があります。
また、外部端子がUSB-Cのみという点も、従来のUSB-A機器を多用している方には注意が必要です。
用途別おすすめモデル
カタログモデル(CZ-K1)がおすすめの方
- 予算を抑えたい方
- ビジネス用途全般
- オンライン会議・Office作業中心
- 16GBメモリで快適なマルチタスクを求める方
Core Ultra 5と16GBメモリの組み合わせで多くの用途に対応できます。
カスタムメイドモデル(WC1-K1)がおすすめの方
Core Ultra 5 + 8GB構成
- 大学生のレポート作成
- 基本的なOffice作業
- ウェブブラウジング中心
- コストを抑えたい方
Core Ultra 5 + 16GB構成
- ビジネス用途全般
- 軽い画像編集
- マルチタスク重視
Core Ultra 7 + 16GB + 512GB構成
- フルHDの動画編集・CADの修正
- 大容量ファイル保存
- 長期間快適に使いたい方
個人的には、将来を考えるとメモリ16GB以上がおすすめです。
価格とコストパフォーマンス
価格については、同等スペックの海外メーカー製品と比較すると若干高めの設定になっています。
ただし、Made in Japanによる品質管理、3年間の手厚いメーカー保証、そしてセキュリティソフト3年版の標準搭載を考慮すると、トータルでの価値は非常に高いと言えます。
特に長期間安心して使いたい方にとっては、初期投資以上のメリットがあるでしょう。
- 3年保証標準(他社は1年が多い)
- Made in Japan品質
- セキュリティソフト3年版込み
- Office Home & Business 2024対応
総合評価
メリット
- 優れたモバイル性(軽量・薄型・長時間バッテリー)
- Made in Japan品質と3年保証の安心感
- ファンレス設計による優秀な静音性
- 最新のWi-Fi 7対応で将来性もある
- Core Ultra搭載で基本性能は十分
デメリット
- グラフィック性能は内蔵GPUレベル
- 外部端子がUSB-C×2のみでやや少ない
- 大きいサイズで作業したいかたには、画面サイズが13.3型でやや小さめ
Made in Japan品質でスタイリッシュな“FMV Note C”
FMV Note Cは、モバイル性能と基本性能のバランスが取れた良いモデルです。
同スペックのノートパソコンと“パソコン本体”の価格を比べると、高いです。
しかし、サポートをつけると、他社のパソコンでサポートをつけた時の価格と変わりません。
Made in Japanの安心感と、富士通の手厚いサポートを考えると、長期間安心して使えるメリットがあります。
重いゲームや本格的なクリエイティブ作業には向きませんが、特にビジネス用途や大学生の学習用、そして外出先での作業が多い方におすすめです。
この記事は実機を使用したレビューに基づいて作成されています。
使用環境や個人の感想により、評価は異なる場合があります。