1Password(ワンパスワード)を5年使ったレビュー|MacとWindowsで使い方・料金・ソースネクスト3年版との違い【2026年】
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ネットショップに銀行、動画配信、仕事のツール。
ログイン画面が出るたびに、パスワードを思い出そうとして手が止まっていませんか。
Excelやメモ帳にまとめていても、使うたびにファイルを開いて探す手間がかかります。
ブラウザに保存したはずのパスワードが、別のブラウザでは出てこなくて困った人もいるはずです。
パスワード管理アプリの1Passwordは、2021年から使い続けて5年目になります。
今はMac 1台とWindows 2台の計3台を、1つの1Passwordアカウントで管理しています。
台数が増えてからは、1Passwordなしでは管理しきれないと感じるようになりました。
この記事では、5年使って手放せなくなった理由と、Mac・Windowsでの使い方、料金の選び方を順番に紹介します。
あわせて、画面を読むAIツールと一緒に使うときに気を付けている1点も書きました。
生成AIの作業で使うAPIキーやSSH鍵も、1Passwordに保管して必要なときに使う方法を解説します。
便利さと注意点の両方を知ったうえで、自分に合うかどうかを判断してみてください。
この記事は、2021年から1Passwordの個人プランを使ってきた体験をベースにしています。
料金と機能は、2026年10月4日と5日に1Password公式サイトで、10月4日にソースネクストの製品ページで確認した内容です。
音声入力アプリAqua Voiceの機能も、同じ日にAqua Voice公式の説明文で確かめました。
スマホでの操作やソースネクスト版の利用体験は扱わず、パソコンでの使い方に絞っています。
- Mac 1台とWindows 2台を1つのアカウントでまとめ、ブラウザの拡張機能から候補を選ぶだけでログインできる
- 覚えるのは1Passwordのアカウントのパスワード1つだけで、どのPCでも同じ保管庫を開ける
- 公式サブスクとソースネクスト3年版は機能が同じで、違いは払い方と期間
- 画面を読むAIツールと一緒に使うときは、パスワードを画面に表示せず自動入力で入れる
- APIキーやSSH鍵も1Passwordに保管し、平文のファイルに置かずに使える
1Passwordとは:1つのパスワードで全部の保管庫を開く仕組み
- ログイン情報を保管庫に入れ、1Passwordのアカウントのパスワード1つで開く
- macOS・Windows・Linux・iOS・Androidと、主要ブラウザ5種の拡張機能に対応
- パスワードの代わりに使うパスキーも保存できる
1Passwordは、サイトやアプリのログイン情報をまとめて保存するパスワード管理アプリです。
IDやパスワードをしまっておく入れ物を、1Passwordでは保管庫と呼びます。
保管庫を開く鍵になるのが、1Passwordのアカウントのパスワードです。
アカウントのパスワード1つを覚えておけば、MacでもWindowsでも同じ保管庫を開けます。
サイトごとに違う長いパスワードを覚える役目は、1Passwordが引き受けてくれます。

パソコンでよく使うのが、ブラウザの拡張機能です。
拡張機能とは、ChromeやSafariなどのブラウザにあとから足せる小さな追加機能のことです。
1Passwordの拡張機能を入れると、ログイン画面で保管庫の中身を呼び出せるようになります。
もう1つ知っておきたいのが、パスキーへの対応です。
パスキーは、パスワードの代わりに端末の指紋認証・顔認証やPINでログインする新しい仕組みのことです。
対応しているサイトでは、1Passwordにパスキーを保存して、パスワードと同じように使えます。
| 対応OS | macOS・Windows・Linux・iOS・Android |
| ブラウザの拡張機能 | Chrome・Safari・Edge・Firefox・Brave |
| 主な機能 | パスワードの保存と自動入力・パスワードの自動生成・Watchtower(弱い・使い回し・漏えいしたパスワードの警告)・トラベルモード・パスキー対応 |
| ストレージ | 1ユーザーあたり1GB |
| 無料体験 | 14日間 |
iPhoneやAndroidのアプリもありますが、この記事ではMacとWindowsのパソコンでの使い方を中心に紹介します。
パスワードの置き場所は、1Password以外にもいくつかあります。
メモ帳やExcelは手軽に始められる反面、ログインのたびに探して書き写す手間が残ります。
ブラウザ標準のパスワード保存でも、自動入力ができます。
同じブラウザを使い続けるなら、十分に役立ちます。
1Passwordの持ち味は、OSやブラウザが違っても同じ保管庫から自動入力できる点にあります。

5年使って手放せない理由
- いちばん便利なのはブラウザ拡張機能の自動入力で、候補を選ぶだけでログインが終わる
- Mac 1台とWindows 2台、計3台のログイン情報を1つのアカウントで共有できる
- Macのデータが消えたときも、1Passwordのアプリから拡張機能を紐付け直すとパスワードが戻った
- 強いパスワードの自動生成と、Watchtowerによる弱い・使い回しのパスワードの警告がある
ブラウザの拡張機能でログインが一瞬で終わる
5年使って、いちばん便利だと感じているのがブラウザの拡張機能です。
ログイン画面を開くと、拡張機能に保管庫の候補が出てきます。
候補を選ぶだけでIDとパスワードが入り、あとはログインのボタンを押すだけ。
パスワードを思い出す、メモを開いて探す、1文字ずつ打ち込むという手順は、まるごと要らなくなります。
2022年にこの記事を初めて書いた時点で、管理していたアカウントはすでに100を超えていました。
100以上のパスワードを頭やメモで管理していたら、ログインのたびに探す時間が積み重なっていたはずです。
拡張機能はChrome・Safari・Edge・Firefox・Braveに対応しています。
MacとWindowsで使うブラウザが違っていても、同じ保管庫の候補が出てきます。
MacとWindows、3台を1つのアカウントでまとめられる
今使っているのは、Mac 1台とWindows 2台の計3台です。
以前はパソコン1台でしたが、生成AIの作業のためにパソコンを買い足し、3台になりました。
3台とも同じ1Passwordアカウントでサインインし、同じ保管庫を使っています。
どのPCの前に座っても、ログインの手順は変わりません。
覚えておくのは、1Passwordのアカウントのパスワード1つだけです。
Macで保存したログイン情報が、Windowsのブラウザでもそのまま候補に出てきます。
パスワード1つで3台をつなげられるので、台数が増えても管理をまとめやすいと感じています。
今では、1Passwordなしでは3台を管理しきれないと実感しています。
新しいPCでも、1Passwordのアプリと拡張機能を入れてサインインすれば、同じ保管庫を使えます。
パソコンの買い替えを考えている人は、大学生のノートパソコンの選び方もあわせて参考にしてください。
Macのデータが消えても、パスワードは戻ってきた
2026年9月、生成AIから「Macのキャッシュを消すだけ」と説明されたコマンドを、ターミナルに貼りました。
ところが実行すると、Macの中のデータと外付けSSDのデータが消えてしまいました。
ブラウザの拡張機能に入っていたパスワードも消え、いつもの自動入力が使えなくなりました。
Macのアプリを確かめると、1Passwordのアプリだけが残っていました。
1Passwordのアプリを立ち上げ、ブラウザの拡張機能と紐付け直すと、ログイン画面にまた保管庫の候補が出てくるようになりました。
Macのデータが消えたあとも、1Passwordに保存していたパスワードは元どおり使えました。
1Password公式サポートのバックアップの案内では、1Passwordのサーバー上のデータを毎日バックアップしていると案内されています。
パスワードの本体がサーバー側にもあったので、元どおり使えたと考えられます。
サーバーに置くと聞くと、中身を見られないか気になるかもしれません。
1Password公式サポートのセキュリティモデルの説明では、アカウントの中身はすべて常にエンドツーエンドで暗号化されていると案内されています。
データの保存先の地域についての案内でも、1Passwordの社員は保存したログイン情報やほかのアイテムを見られないと書かれています。
戻ってきたのは、1Passwordに保存していたパスワードです。
Macの中の写真や書類は、1Passwordとは別にバックアップしておくと安心です。
生成AIが示したコマンドは、何をするものかを確かめてから実行されるのをおすすめします。
強いパスワードを自動で作れる
総務省の「国民のための情報セキュリティサイト」は、安全なパスワードの条件として次のような点を挙げています。
- 他人に推測されにくいものにする
- 英単語をそのまま使わない
- 英字と数字を混ぜる
- 適切な長さにする
- 複数のサービスで使い回さない(定期的な変更は不要)
出典は、総務省の「国民のための情報セキュリティサイト」(https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/security/business/staff/01.html)です。
サイトごとに条件を満たすパスワードを考えるのは、数が増えるほど大変です。
1Passwordには、長さや使う文字の種類を選んでランダムなパスワードを作る機能があります。
作ったパスワードは保管庫に保存されるので、覚えたりメモに書き写したりする手間が省けます。
サイトごとに別のパスワードを用意でき、使い回さないという条件も満たしやすくなります。
Watchtowerで弱い・使い回しのパスワードがわかる
Watchtowerは、保管庫のパスワードを確認し、注意が必要なものを知らせる1Passwordの機能です。
弱いパスワードや使い回し(再利用)されたパスワード、既知のデータ漏えいに関係するものが対象です。
パスキーに対応しているサイトにも印を付けてくれます。
個人プランにもファミリープランにも含まれています。
昔に作った短いパスワードや、複数のサイトで同じものを使っている状態に気づくきっかけになります。
パスワードを1Passwordに移したら、Watchtowerの一覧を見ながら古いパスワードから順に作り直せます。
一度に全部を直す必要はなく、よく使うサイトから手を付ければ十分です。
1Passwordの使い方:Mac・Windows共通の3ステップ
- 手順はアカウント作成・アプリと拡張機能の導入・ログイン時の保存の3つ
- MacでもWindowsでも流れは同じで、2台目以降は同じアカウントでサインインするだけ
- 一度保存したサイトは、次から拡張機能の候補を選ぶだけで入力できる
1Passwordの使い方は、MacでもWindowsでも大きな違いはありません。
最初の1台で3つのステップを済ませれば、2台目からはサインインするだけで同じ保管庫が使えます。

ステップ1:1Passwordのアカウントを作る
1Password公式サイトでプランを選び、名前とメールアドレスを入力してアカウントを作ります。
公式サブスクには14日間の無料体験があるので、まずは使い勝手を試してから続けるかどうかを決められます。
アカウント作成の途中で、1Passwordのアカウントのパスワードを決めます。
保管庫を開く鍵になるので、ほかのサイトで使っていない長いパスワードにしておきましょう。
作成時に発行されるシークレットキーは、新しい端末で初めてサインインするときに使う大切な情報です。
アカウントのパスワードとあわせて、なくさない場所に控えておいてください。
ソースネクストの3年版を買った場合は、ライセンスキーを入力すると3年間使えるようになります。
すでに1Passwordのアカウントを持っている人は、公式サイトで「すでに1Passwordアカウントをお持ちの方」を選ぶと、登録済みのアカウントにリンクできます。
ステップ2:アプリとブラウザの拡張機能を入れる
MacやWindowsに1Passwordのアプリを入れ、作ったアカウントでサインインします。
続けて、普段使うブラウザに1Passwordの拡張機能を追加します。
Chrome・Safari・Edge・Firefox・Braveのどれでも、同じ保管庫につながります。
2台目、3台目のPCでも、設定の手順は同じです。
アプリと拡張機能を入れて、同じアカウントでサインインすれば、1台目で保存したログイン情報がそのまま並びます。
ステップ3:ログイン時に保存して、次から自動入力する
いつもどおりサイトにログインすると、1PasswordがIDとパスワードの保存を確認します。
保存しておけば、次からはログイン画面で拡張機能の候補を選ぶだけで入力が終わります。
新しく会員登録するサイトでは、1Passwordにパスワードを作らせてそのまま保存すると手間がかかりません。
今あるパスワードを一度に全部移す必要はありません。
よく使うサイトから順に、ログインのついでに保存していけば、保管庫は自然に埋まっていきます。
気を付けていること:画面を読むAIツールと一緒に使うとき
- 音声入力アプリAqua VoiceのDeep Contextは、画面の内容を使って精度を上げる機能で、初期状態はオフ
- Deep Contextをオンにしたまま、パスワードを表示した画面で話すと、その画面も読み取りの対象になる
- パスワードは表示せず自動入力で入れ、1Passwordの画面を閉じてから話すのが基本
普段、音声入力アプリのAqua Voiceを使っています。
Aqua Voiceは、話した内容を文字にしてくれるアプリです。
Aqua Voiceには、画面に映っている内容を手がかりにして変換の精度を上げる機能があります。
便利な機能だからこそ、1Passwordと組み合わせるときは、パスワードの置き場所に気を付けています。
画面の内容を使う機能を、Aqua Voiceの公式ではDeep Contextと呼んでいます。
画面に表示されている内容を使って、音声入力の精度を上げます。
任意の設定で、初期状態はオフになっています。
オンにすると画面の内容を使い、公式は「データは安全に処理され、保存されない」と説明しています。
気を付けたいのは、Deep Contextをオンにして使っている場合です。
1Passwordでパスワードを表示した画面のまま音声入力すると、その画面の内容が読み取りの対象になります。
実際に何かが起きたという話ではなく、仕組みのうえで画面に出ている文字は読み取りの範囲に入る、ということです。

対策は、次の4つです。
- パスワードは「表示」せず、拡張機能の自動入力で入れる(画面に文字として出さない)
- 1Passwordのアプリ画面を開いたまま音声入力せず、閉じてから話す
- Deep Contextは必要な場面だけオンにする
- 画面を読む・画面を録る他のツール(画面共有・録画)を使うときも、同じように気を付ける
1つ目の、パスワードを表示せず自動入力する方法がいちばん効きます。
拡張機能の自動入力なら、パスワードは入力欄に伏せ字で入るだけで、画面に文字としては出てきません。
パスワードを目で確かめたいときは、表示する前に音声入力やほかのツールを止めておくと安心です。
4つ目の、画面を読む・録るツールへの注意は、Aqua Voiceに限った話ではありません。
オンライン会議の画面共有や、操作説明のための録画でも、表示したパスワードはそのまま相手や映像に残ります。
画面を外に出す道具を使うときは、パスワードを表示しないという習慣が役に立ちます。

もう1つ、Aqua VoiceにはPrivacy Modeという設定もあります。
個人向けでは初期状態がオフです。
オフのままだと文字起こしの内容がサーバーに保存されることがあると、公式に書かれています。
気になる人は、使い始める前に設定画面で確かめておくと安心です。
生成AI時代の使い方:APIキーやSSH鍵を平文のファイルに置かない
- 平文のファイルに書いたAPIキーは、ファイルの中身を見た人ならそのまま使えてしまう
- 1Password CLIの「op run」なら、ファイルにはキーの参照だけを書き、プログラムの実行中だけキーを渡せる
- SSH鍵も1Passwordに保存でき、キーの制限や請求アラートなどGoogleが勧める対策と組み合わせて守る
1Passwordに入れているのは、サイトのログイン情報だけではありません。
GitHubなどへの接続に使うSSH鍵も、1Passwordに保存しています。
生成AIのサービスを自作のプログラムから呼び出すときには、APIキーという文字列を使います。
APIキーは、プログラムがサービスを使うための合言葉のようなものです。
キーを知られると、他人が持ち主のアカウントでサービスを使えてしまいます。
APIキーやSSH鍵を、平文のファイルに置かずに管理する方法を紹介します。
平文とは、暗号化せず、ファイルを開けば読める文字のまま保存することです。
平文のファイルにAPIキーを置くと何が危ないか
以前は、GoogleのAPIキーをCSVファイルに書いておき、自作のプログラムにCSVファイルを読み込ませて動かしていました。
CSVファイルも平文のファイルの一種で、ファイルを開ける人なら誰でもキーを読めます。
平文のファイルにキーを置いておくのは危険すぎると考え、CSVに書いていたキーは削除しました。
不正に使われた被害はなく、今はAPIキーを使っていません。
平文のファイルに置いたキーが問題になるのは、ファイルが手元を離れたときです。
プログラムと一緒にGitHubへ上げたり、バックアップのためにコピーしたりすると、キーも一緒に運ばれます。
ファイルの中身を見た人は、キーをそのまま使えてしまいます。
キーの置きっぱなしがどれだけ起きているかは、数字で見るとつかみやすくなります。
GitGuardianは、シークレット(APIキーやパスワードなどの秘密の情報)の漏えいを調べている会社です。
2026年3月17日に、報告書「The State of Secrets Sprawl 2026」を公開しました。
報告書に載っている主な数字は次の4つです。
- 2025年に公開GitHubのコミット(変更をGitに記録する操作)へ新たに直書きされたシークレットは約2,865万件(28,649,024件)で、前年比34%増
- AIサービスのキーは1,275,105件で、前年比81%増
- MCP(AIアプリと外部のツールやデータをつなぐ共通の仕組み)関連の設定ファイルから24,008件が見つかり、うち2,117件は有効な認証情報
- 2022年に見つかった有効なキーを2026年1月に調べ直すと、64%以上がまだ使える状態のまま

出典は、GitGuardianの「The State of Secrets Sprawl 2026」(https://www.gitguardian.com/state-of-secrets-sprawl-report-2026)です。
MCPの2,117件と、2026年1月の再調査の数字は、GitGuardianの報告書の解説記事に載っています。
GitGuardianのCEO、Eric Fourrier氏は “AI agents need local credentials to connect across systems, turning developer laptops into a massive attack surface.” と述べています。
AIエージェントがシステムどうしをつなぐには手元の認証情報が要り、開発者のノートパソコンが大きな攻撃の的になっている、という意味です。
開発元や公的機関も、キーを平文のまま置かないよう呼びかけています。
- Google(Gemini APIのドキュメント):
“Never check API keys into source control systems like Git.”(APIキーをGitなどのソース管理に入れない)
“Read keys from environment variables rather than configuration files.”(キーは設定ファイルではなく環境変数から読む) - Google Cloud(APIキー管理のベストプラクティス):
“API keys hardcoded in the source code or stored in a repository are open to interception or theft by bad actors.”(ソースコードに直書きしたキーやリポジトリに置いたキーは、悪意のある人に傍受・盗用されうる) - OWASP(Secrets Management Cheat Sheet):平文のまま設定ファイルに散らばったキーを問題視し、環境変数は一般にすべてのプロセスから読め、ログに残ることもあると注意を促している
- OWASP(Top 10 for LLM 2025のLLM07):APIキーなどをシステムプロンプト(AIに最初に渡す指示文)に入れないよう求めている
- 総務省(クラウドサービス利用・提供における適切な設定のためのガイドライン・2022年10月・事業者向け)p.24:「サービスアカウントに対しては、プログラム等が使用する API のアクセスキー及びシークレットキー(クレデンシャル情報)の設定管理についても不十分であるとシステム全体の乗っ取りなどのリスクがある。」
1Password CLIの「op run」で、実行するときだけキーを渡す
APIキーを1Passwordで管理するやり方は、まだ試していません。
op runの使い方は、2026年10月5日に確認した1Passwordの公式ドキュメントをもとに解説します。
1Password CLIは、文字のコマンドを打ち込んで1Passwordを操作するツールです。
コマンド名は「op」です。
CLIは、マウスの代わりに文字のコマンドでパソコンを操作する方法を指します。
op runで使うファイルには、キーの「住所」だけを書いておきます。
プログラムを実行するときに、1Passwordからキー本体を取り出して渡す仕組みです。
キーの住所にあたるのが、シークレット参照です。
「op://保管庫の名前/アイテムの名前/項目の名前」という形で、1Passwordの中のどこにキーがあるかを指します。
参照だけを書いたファイルならGitに上げても安全だと、1Passwordの公式ドキュメントは説明しています。
公式ドキュメントの書式に沿った例を2つ紹介します。
1つ目は、.envファイル(プログラムに渡す設定をまとめて書いておくファイル)の中身です。
キー本体の代わりに、シークレット参照を書きます。
GEMINI_API_KEY="op://Private/Gemini/credential"
2つ目は、プログラムを起動するコマンドです。
コマンドを打ち込むアプリで実行します。
Macではターミナル、WindowsではPowerShellを使います。
op run --env-file=.env -- python app.py
op runは、.envに書いた参照をもとに1Passwordからキーを取り出します。
キーは、python app.pyを実行している間だけ環境変数として渡されます。
環境変数は、パソコンの中でプログラムに設定値を渡すための入れ物のことです。
画面やエラー出力にキーが表示されても、既定で伏せ字になります(公式の原文は “Secrets printed to stdout or stderr are concealed by default.”)。
仕組みの詳細は、環境変数でシークレットを渡す方法とop runのリファレンスにまとまっています。
GoogleのGemini APIのクライアントライブラリ(Googleが用意しているプログラム部品)は、環境変数からキーを自動で読み込みます。
環境変数の名前はGEMINI_API_KEY(またはGOOGLE_API_KEY)です。
op runと組み合わせれば、コードにもCSVにもキー本体を書かずに済みます。
CSVにキーを書いていた方法との違いは、参照だけのファイルにはキー本体が入っていない点です。

1Password CLIを使うには、1Passwordの契約とデスクトップアプリが要ります。
Mac・Windows・Linuxで使え、MacではTouch ID、WindowsではWindows Helloで1Password CLIのロックを解除できます(1Password CLIの始め方)。
個人プランとファミリープランの料金ページには、「1Password Developer」(原文 “SSH workflows, Git commit signing, and CLI & SDKs”)が含まれています。
環境変数で渡す方法も、完全に安全というわけではありません。
OWASPの注意のとおり、環境変数は一般にほかのプロセスから読めます。
op runは、キーがパソコンの中に残る時間と場所を減らす方法として考えるとわかりやすくなります。
SSH鍵も1Passwordの中に置ける
SSH鍵は、GitHubなどのサーバーに接続するとき、パスワードの代わりに本人だと証明するための鍵です。
節の冒頭に書いたとおり、GitHubなどへの接続に使うSSH鍵は1Passwordに保存しています。
1Passwordには、SSHエージェントという機能もあります。
SSH鍵を1Passwordの中に置いたまま、Gitの操作やSSHでのログインに使える仕組みです。
公式の説明には “without your SSH keys ever leaving 1Password”(SSH鍵が1Passwordの外に出ることなく)と書かれています(1PasswordのSSH機能の説明)。
対応OSはMac・Windows・Linuxです(SSH機能の始め方)。
秘密の情報を手元のファイルに散らさないという考え方は、APIキーのop runと同じです。
AIツールとの連携も広がっている
1Passwordは、生成AIのツールと組み合わせて使う機能も発表しています。
Shell Plugins・MCPサーバーとの連携・1Password for Claudeは、いずれもメーカーの発表に基づく紹介です。
試した機能ではありません。
- Shell Plugins:外部のコマンドツールを、指紋などの認証で使えるようにする仕組み。
対応の一覧にはOpenAI(Codex CLI)・Claude Code・Gemini CLI・GitHub Copilotなどが並び、対応するシェルはBash・Zsh・fish - MCPサーバーの設定:2025年11月19日の公式ブログで、MCPサーバーの設定ファイル(mcp.json)にトークン(APIキーと同じような認証用の文字列)を直書きせず、op runで渡す方法を案内
- 1Password for Claude:2026年7月16日の発表。
Claudeがブラウザで作業するとき、ログイン情報をClaude本体に見せずに入力する機能で、作業ごとに生体認証で承認する。
対象はMacで、個人・ファミリー・法人の各プラン
AIツールに作業を任せる場面が増えるほど、ツールに渡す鍵をどこに置くかが問われます。
キー本体をAIや設定ファイルに見せずに渡す方向で、機能が増えていると受け止めています。
キーを使うときに一緒にやっておきたいこと
1Passwordでキーの置き場所を整えても、キーそのものの管理は別に必要です。
GoogleのGemini APIのドキュメントとGoogle Cloudのベストプラクティスは、次のような対策を勧めています。
- キーに制限をかけ、使える範囲を絞る
- 使っていないキーは削除する
- 請求アラートを設定し、想定外の利用に早く気づけるようにする
- 本番の環境では、Secret Managerなど、キーを安全に保管するためのサービスを使う
キーが漏れた疑いがあるときの手順も、Gemini APIのドキュメントに書かれています。
- 新しいキーを作る
- プログラムを新しいキーに切り替える
- 新しいキーで動くのを確かめてから、古いキーを無効化・削除する
- 請求の記録とAPIの利用状況を見て、身に覚えのない利用がないか調べる
CSVに置いていたGoogleのAPIキーは、危険すぎると考えて削除しました。
使わないキーを残さないという点では、Googleの勧める対策とも重なります。
APIキーを使い始めるときは、キーを作った日に制限と請求アラートも設定しておくと、あとから慌てずに済みます。
1Passwordの料金とお得な買い方:公式サブスクとソースネクスト3年版
- 公式の個人プランは通常 月3.99ドル(年払い)で、新規ユーザーは初年度のみ 月2.99ドル
- ソースネクスト3年版は1人用17,980円・5人用27,980円(税込・標準価格)で、機能は公式と同じ
- まず試したいなら公式、3年分を円でまとめて払いたいならソースネクスト3年版
1Passwordの買い方は、大きく2つあります。
1Password公式サイトでサブスクを契約する方法と、ソースネクストで3年版を買う方法です。
ずっと公式サイトのサブスク(個人プラン)で使ってきましたが、どちらを選んでも使える機能は変わりません。
| 買い方 | 価格 | 人数 | 3年分の目安 |
| 公式 個人プラン | 通常 月3.99ドル(年払い時の月額表示) 新規ユーザーは初年度のみ 月2.99ドル | 1人 | 試算で約21,500円(新規なら約19,700円) |
| 公式 ファミリープラン | 通常 月5.99ドル(年払い時の月額表示) 新規ユーザーは初年度のみ 月4.49ドル | 最大5人 | 試算で約32,300円 |
| ソースネクスト 3年 1人用 オンラインコード版 | 標準価格 17,980円(税込) | 1人 | 17,980円 |
| ソースネクスト 3年 5人用 オンラインコード版 | 標準価格 27,980円(税込) | 5人 | 27,980円 |

公式サブスク:ドル建てで、14日間の無料体験から始められる
公式の個人プランは、通常 月3.99ドルです。
年払いにしたときの月額表示で、1年分は47.88ドルになります。
1ドル=150円で試算すると年約7,200円、3年で約21,500円です。
新規ユーザーは初年度だけ月2.99ドルになるので、同じレートで試算すると3年の合計は約19,700円まで下がります。
公式サイトのドル価格は税抜きの表示です。
1Passwordのサポートページには、請求先の住所が日本の場合は消費税がかかることがあると書かれています。
2022年にこの記事を書いたときは、個人プランを月2.99ドルと紹介していました。
今の通常価格は月3.99ドルで、以前の月2.99ドルから値上がりしています。
月2.99ドルは、今は新規ユーザーの初年度だけの価格です。
家族で使うなら、ファミリープランが候補になります。
通常 月5.99ドル(年払い時)で、最大5人まで使えます。
新規ユーザーは初年度のみ月4.49ドルです。
公式サブスクは、14日間の無料体験から始められます。
MacとWindowsの両方に入れ、自動入力の使い勝手を確かめてから契約を続けるかどうかを決められます。
料金の最新情報は、1Password公式サイトの料金ページで確認できます。
ソースネクスト3年版:円で3年分をまとめて払える
ソースネクストでは、1Passwordの3年版をオンラインコードで販売しています。
標準価格は1人用が17,980円、5人用が27,980円(いずれも税込)です。
ソースネクストの製品ページには、公式サイトのサブスクと「機能に違いはありません。ライセンスキーを入力すると3年間利用できます。」と書かれています。
円建てで3年分をまとめて払うので、ドルの為替レートに左右されません。
1ドル=150円の試算では、公式の個人プランを3年続けるより3年版の1人用のほうが安くなります。
3年版の17,980円は税込みなので、公式に消費税がかかる場合は差がもう少し開きます。
円高に動けば差は縮むので、買う時点のレートで見比べるのが確実です。
ソースネクストではセールで安くなる時期もあるので、価格はリンク先で確認してください。
ソースネクスト版の対応OSは、Windows 11/10、macOS 12以降、Android 9.0以降、iOS 17.5以降です。
対応ブラウザは、Chrome・Firefox・Edge・Brave・Safari・Operaと案内されています。
どちらを選ぶか
選び方の目安は、次のとおりです。
- まず14日間試してから決めたい人:公式サブスク
- 1年ごとに続けるかどうかを決めたい人:公式サブスク
- 3年分を円でまとめて払い、為替の影響を受けたくない人:ソースネクスト3年版
- 家族5人までで使いたい人:公式のファミリープランか、ソースネクストの5人用
公式の無料体験で使い勝手を確かめてから、ソースネクスト3年版に切り替えて使い続ける方法もあります。
ソースネクストのFAQでは、公式サイトで年額・月額のサブスクを使っているアカウントなら、3年版のライセンスを紐付けられると案内されています。
無料体験中のアカウントが紐付けの対象になるかはソースネクストと1Passwordのどちらの案内にも書かれていないので、切り替える前にソースネクストのサポートで確かめておくと安心です。
公式サイトで月額・年払いのサブスクを使っている人は、切り替えのタイミングにも気を付けてください。
ソースネクストの製品ページには「ソースネクストで購入したシリアルに切り替えると旧プランの残り期間はご利用できなくなります。」と書かれています。
ソースネクストのFAQでは、サブスクの期限が切れたあとに同じアカウントでライセンスを認証できると案内されているので、更新日の直前に切り替えると払った期間をむだにせずに済みます。
1Passwordがおすすめの人
- MacとWindowsの両方を使う人、複数台のPCを持つ人ほど効果が大きい
- Excelやメモでのパスワード管理に限界を感じている人に向く
- 1台・1ブラウザで完結しているなら、ブラウザ標準の保存機能でも足りる場合がある
5年使ってきた経験から、1Passwordが特に役立つのは次のような人です。
- MacとWindowsの両方を使っている
- パソコンを2台以上持っていて、どれでも同じようにログインしたい
- Chrome・Safari・Edgeなど、PCごとに違うブラウザを使っている
- パスワードをExcelやメモ帳で管理していて、探す手間に疲れている
- サイトごとに違う強いパスワードを使いたいが、覚えきれない
- 家族のアカウントもまとめて管理したい

パソコン1台と1つのブラウザだけで完結している人なら、ブラウザ標準のパスワード保存でも足りる場合があります。
PCを買い足したり、MacとWindowsを行き来するようになったりしたタイミングで、1Passwordを試してみるのも1つの選び方です。
まとめ:1つのパスワードで、MacもWindowsも同じようにログインできる
1Passwordを2021年から5年使い、今はMac 1台とWindows 2台を1つのアカウントで回しています。
いちばん効いているのは、ブラウザの拡張機能から候補を選ぶだけで終わるログインです。
覚えるのは1Passwordのアカウントのパスワード1つだけで、どのPCでも同じ保管庫が開きます。
気を付けているのは、画面を読むAIツールと一緒に使うときです。
対策の基本は、パスワードを表示せずに自動入力で入れることと、1Passwordの画面を閉じてから音声入力することの2つです。
この2つを習慣にしておけば、Aqua VoiceのDeep Contextのような便利な機能とも付き合いやすくなります。
料金は、公式の個人プランが通常 月3.99ドル(年払い)、ソースネクスト3年版の1人用が標準価格17,980円(税込)です。
まずは公式の14日間の無料体験で、自分のPCとブラウザでの使い勝手を確かめてみてください。
よくある質問
1Passwordは無料で使えますか?
1Password公式サイトの個人向けプランは有料ですが、14日間の無料体験があります。
体験期間中に使い勝手を確かめてから、公式サブスクかソースネクスト3年版を選べます。
ソースネクスト版と公式サイトのサブスクは何が違いますか?
ソースネクストによると、機能に違いはありません。
違うのは払い方で、公式はドル建てのサブスク、ソースネクスト版は円建てで3年分をまとめて払い、ライセンスキーを入力して3年間使います。
MacとWindowsで同じアカウントを使えますか?
使えます。
Mac 1台とWindows 2台の計3台を、1つの1Passwordアカウントで管理しています。
どのPCでも同じ保管庫が開き、ブラウザの拡張機能から自動入力できます。
1Passwordはパスキーに対応していますか?
対応しています。
パスキーは、パスワードの代わりに指紋認証・顔認証やPINでログインする仕組みです。
パスキーに対応したサイトでは、1Passwordに保存して使えます。
音声入力アプリと一緒に使っても大丈夫ですか?
使い方に気を付ければ一緒に使えます。
Aqua VoiceのDeep Contextのように画面の内容を読む機能をオンにしている場合、パスワードを表示した画面のまま話すと、その画面も読み取りの対象になります。
パスワードは表示せずに自動入力で入れ、1Passwordの画面を閉じてから音声入力するのが基本です。
1Passwordの拡張機能はどのブラウザで使えますか?
1Password公式サイトでは、Chrome・Safari・Edge・Firefox・Braveの拡張機能が案内されています。
MacとWindowsで使うブラウザが違っていても、同じアカウントでサインインすれば同じ保管庫の候補が出てきます。
APIキーも1Passwordで管理できますか?
管理できます。
1Password CLIの「op run」を使うと、設定ファイルにはキー本体ではなく、1Passwordの中の場所を示すシークレット参照だけを書けます。
プログラムを実行している間だけ、キーが環境変数として渡されます。
画面やエラー出力に出たキーは、既定で伏せ字になります。
パソコンのデータが消えたら、1Passwordのパスワードも消えますか?
1Passwordに保存したパスワードは、1Passwordアカウントにサインインし直せば使えます。
1Password公式サポートによると、サーバー上のデータは毎日バックアップされています。
機器を失くしても、新しい機器のアプリでサインインすればデータを使えると案内されています。
実際にMacのデータが消えたときも、残っていた1Passwordのアプリから拡張機能を紐付け直すと、パスワードは元どおり使えました。