パソコンの性能はCPUとメモリが左右します。性能のよいCPUを選択するかで使いやすいパソコンを購入できるか決まります。しかし、どのようなポイントを押さえてCPUを選べばいいのか分からない人も多いはずです。
この記事では、パソコンを購入する人向けにCPUの選び方を解説します。記事を参考にすれば、使いやすいコスパのよいパソコンを購入できます。
パソコンの購入は安く購入するだけではいけません。CPUを選ぶポイントを押さえて目的に合わせたパソコンを購入することが重要です。
CPUとは、パソコンの頭脳
CPUとは?簡単に説明
どのようなポイントを押さえてCPUを選べばいいのか分からない人も多いはずです。CPUはパソコンの“頭脳”です。
“頭脳”であるCPUが、パソコンを動かしています。
高い能力のCPUは、大量の難しいデータを処理できます。低い能力のCPUは簡単な作業しかできません。CPUは、能力に比例して価格も高くなります。
高い能力が仮に100として、自分の使う目的が60であれば、40は使わない能力になります。


使わない能力に、お金を払うのはもったいないです。コスパがよいパソコンの購入は、目的にあった能力のCPUが搭載されたパソコンを選ぶことです。
CPUの役割を図解で説明
CPUはパソコン“頭脳”。CPUはパソコンの中でチームリーダーのような働きをしています。CPUがプログラムと素材のデータを読み込み、コアに作業内容を指示し、データ作成は出来上がります。
例えれば、チームリーダーであるCPUは取説であるプログラムを理解し、素材であるデータをコアたちにどう処理するか命令するというイメージです。チームリーダーであるCPUが取説を理解できないとデータが処理できないことになります。
データの処理速度は、チームリーダであるCPUの能力によって変わります。


CPUの製造メーカー
一般に国内で流通しているパソコンに搭載されているCPUの製造メーカーは、Inetel、AMD、Apple です。CPUの番号は、シリーズ、型、世代、番号などを表し、能力を表しています。
Inetel(インテル)
Inetelは、ネットワークやデータセンター、AI、パソコン用のCPUを製造。演算処理の速さに定評があります。
パソコンに搭載されているInetelのCPUシリーズは、Core i、Pentium、Celeron、Atomがあります。
AMD(エーエムディー)
AMDもIntelも性能は、ほとんど差がありませんが、コスパがよいです。ノートパソコンのCPUは、GPU(3Dグラフィックスを表現するのに必要なチップ)内臓※1のものがあります。AMDの内臓GPUは性能が高いのが特徴。
Apple
iPhoneやiPod touch用のシリーズは、A、S、T、 W、H、 Uがあり、の初期バージョンから使用され、パソコン用にはMシリーズがあります。
種類は、M1、M1 Pro、M1 MAXで、CPUやGPUを統合したシステム・オン・チップです。
CPUのタイプ
単体と統合型
CPUには、CPU単体のものとGPU(グラフィックカード)内蔵のものがあります。
GPU内蔵のCPUのノートパソコンは、CPU+GPUと単品同士の組み合わせをしないことで価格や消費電力を抑え、パソコンの寿命を延ばすのに貢献します。
ゲーミングパソコンには、性能の高いGPUが必要です。GPUを内蔵したCPU搭載のゲーミングパソコンは、CPU+GPUと組み合わせたものより、価格を抑えれます。
※1 CPUの中にGPUが内臓されている場合、以下のようなスペックの書き方です。

CPUの性能の見方は、型番でわかる
CPUの製品名は“型番”と呼ばれ、性能を比較できます。“型番”は、シリーズ、世代、タイプが記され、性能がわかるようになっています。目的のCPUは、“型番”の比較でわかります。
CPUの型番の見方
IntelとAMDの型番も同じような番号の付け方です。
Intelの型番の見方


AMDの型番の見方


CPUの比較は、シリーズがポイント
CPUのシリーズの見方
IntelとAMDのCPUの種類の能力をシリーズで分類した一覧表。シリーズは、↓の丸で囲ってある部分です。


CPUのシリーズ比較表
シリーズごとに性能が違い、パソコンメーカーでは、シリーズの種類をもとにパソコンのカテゴライズをしています。主に、4つのカテゴライズをし、ブランドやグループで分けています。
- エントリー‥初心者向け
- スタンダード‥ビジネスや大学生が使うモデル
- ハイエンド‥本格的に作業をするビジネスや大学生が使うモデル
- クリエイターズ‥ビジュアル・グラフィックなど映像を扱うプロ、3Dゲーム用モデル
CPUの比較表はCPU単体の能力を表しています。メモリやストレージの組み合わせ、GPUの種類や有無で、処理する作業量や速度が変わります。
モデル | ブランド | 主な使い方 | |
Intel | AMD | ||
エントリー | Atom | Athlon | 事務系アプリ、ネット閲覧 |
Celeron | |||
Pentium | A-Series | 事務系アプリ、ネット閲覧 | |
スタンダード | Core i 3 | Ryzen 3 | ネット閲覧、動画視聴 事務系アプリ(データの多い作業が可能) |
Core i 5 | Ryzen 5 | ネット閲覧、動画視聴 事務系アプリ(データの多い作業が可能)、 システム・グラフィック系アプリ(データの少ないものが可能)、 データの軽いゲームが可能 |
|
ハイエンド | Core i 7 | Ryzen 7 | ネット閲覧、動画視聴 事務系アプリ(データの多い作業が可能)、 システム・グラフィック系アプリ(データの多いものが可能)、 ゲームが可能、動画編集、動画配信 |
クリエイターズ | Core i 9 | Ryzen 9 | ネット閲覧、動画視聴 事務系アプリ(データの多い作業が可能)、 システム・グラフィック系アプリ(データの多いものが可能)、 3Dゲームが可能、動画編集、動画配信 |
ハイエンド デスクトップ向け |
Core X | 写真や動画の編集、視覚効果、モーション・グラフィックス、3D アニメーション、 ハイエンド・ゲームのクリエイター・ワークフロー |
|
ワークステーション | Core Xeon | プロのクリエイター用 VFX、3D レンダリング、複雑な 3D CAD、AI 開発やエッジ・デプロイメント |
CPU能力比較表
CPUの世代とは、システムアーキテクチャに分けられた分類
CPUの世代の見方
CPUの性能は“世代”によっても違います。“世代”は、システムアーキテクチャ(システム設計)によって、区別されています。“世代“は、最初の設計からカウントし、いくつ目かを表しています。システムアーキテクチャによって設計され、発売があとのものの方が性能は良くなります。


CPUを選ぶ時の注意
CPUの性能は、発売ごとに良くなっていきます。シリーズが低い後発のCPUが先発の高いシリーズのCPUの性能を上回ることがあります。
チェックポイント
低いシリーズの後発のCPUが高いシリーズの先発のCPUの性能を上回ることがあります。Intel Core i5-9500 のベンチマーク9736、Intel Core i7-4790 は、ベンチマーク7233です。Core i5-9500の発売日は2019年8月2日、Intel Core i7-4790の発売日は2014年5月11日。


高いシリーズのCPUを上回る例
Intel Core i5の方がIntel Core i7より、ベンチマークが高いです。処理能力がIntel Core i5の方が、高くなります。
9000番台と4000番台では、この間に4世代が入っています。
Intelの世代の選び方
第12世代が最新となり、購入対象は最低でも第10世代以降がよいです。
Windows11に対応しているのは、第8世代以降です。Windows10のサポート期限は、2025年10月14日までです。サポート期限を過ぎると、セキュリティの保護が受けられません。
AMDの世代の選び方
世代の見方は1XXXは第1世代、2XXXは 第2世代、3XXXと4XXXが 第3世代、5XXXは第4世代になります。※XXXXは数字
種類は、Intelと同じように、低消費電力、グラフィックスの性能“GPU”の有無、スタンダードなど、特徴を示しています。
CPUの種類とは、アルファベットで性能を表示
Intelの種類の見方
Intelの種類は、“Product Line Suffix”と呼ばれる末尾のアルファベットで表されます。
サフィックス | 意味 |
G1-G7 | グラフィックス・レベル (新しい統合グラフィックス・テクノロジーを搭載したプロセッサーのみ) |
E | 埋め込み |
F | ディスクリート・グラフィックスが必要 |
G | パッケージにディスクリート・グラフィックスを含む |
H | モバイル向けに最適化された高性能 |
HK | モバイル向けに最適化されたハイパフォーマンス、アンロック対応 |
HQ | モバイル、クアッドコアに最適化された高性能 |
K | ロック 解除 |
S | スペシャルエディション |
T | パワーを最適化したライフスタイル |
U | モバイル電力効率 |
Y | モバイル超低消費電力 |
X/XE | アンロック対応、ハイエンド |
B | ボールグリッドアレイ (BGA) |
P | 薄型軽量のフォームファクターにエンスージアスト・レベルの性能 |
AMDの種類の見方
アルファベットが示すのは、低消費電力、グラフィックスの性能“GPU”の有無、スタンダードなど、特徴を示しています。
CPUの性能の確認方法
CPUの性能が知るには、シリーズ、世代、種類と発売で、能力が前後します。発売時期で世代がシリーズを超えるものもあり、複雑です。
CPUの能力を総合的に判断でき、簡単に知る方法があります。
コンピュータシステムのハードウェアやソフトウェアの性能を測定するための指標“ベンチマーク”を“PassMark”で調べることができます。
PassMarkはこちらのサイトです。
検索ボックスに型番を検索することで、ベンチマークを調べることができます。

但し、PassMarkのベンチマークは多少ずれ(プログラムやアプリに起因する)がありますので、大体このくらいといった感じで把握します。
能力別可能操作
CPUのベンチマークがわかると、どういう作業ができるのかわかります。
PassMarkのトップにパフォーマンス(能力)毎に区切った表があります。
PassMarkのCPUの分類が、ハイエンドは6344~40292とありましたが、非常に幅広いのでこれを2つに分割して表してみました。
ベンチマークはCPU単体を図ったものです。パソコンはCPU、メモリ、ストレージ、GPUといった他のパーツ間とのやりとりをして動きます。パーツの組み合わせ次第で発揮できる能力が変わります。ベンチマークは目安として参照します。
- 13000~…ゲーミングパソコンの初心者から動画編集でレンダリングなどデータの重い作業などができる。
- 6000~13000…事務系アプリで重いデータを処理、動画編集
- 2000~6000…動画視聴、オフィス系アプリケーションで作業可能
2000以下は、ネット閲覧のレベルです。アピリケーションを使って作業をするには、向いていません。
CPUとともに、アプリケーションのビジュアルの表現に大きく影響するのが、GPU。CPUの性能が良くても、GPUが悪ければデータの処理が追い付かず、画面が真っ黒になりビジュアルを表現できない、アプリケーションがバグる(止まる)といった不具合がでます。
パソコンの他のスペックについては“パソコンの選び方”↓の記事でまとめています。