HP OmniBook Ultra/X 2026発表会レポート|Snapdragon X2搭載AI PCを体験
【PR】【株式会社日本HP】
2026年6月12日、日本HPの新製品説明会に参加してきました。
今回のテーマは、2026年モデルのプレミアムAI PC「OmniBook Ultra」「OmniBook X」と、クアルコムの新SoC「Snapdragon X2」です。Snapdragon X2は、Armアーキテクチャを採用したWindows on Arm向けの新しいSoCです。
ゲームや普段のアプリがどこまで使えるのか気になる方は多いと思います。会場では、Snapdragon X2 Elite搭載のOmniBook Ultra 14-kgを体験しました。
Forza Horizonを試した範囲では画面のカクつきが目立たず、映像も想像していたよりきれいでした。

製品説明とタッチ&トライを通して見えてきた新モデルの魅力を、会場で感じた率直な印象とともにレポートします。
HPのノートPC全体のラインナップを先に把握したい方は、HPノートパソコンおすすめ 全シリーズ早見マップも参考にしてみてください。
今回紹介する新モデルの位置づけが、より分かりやすくなります。
この記事は2026年6月12日の日本HP新製品説明会と会場資料をベースに、2026年6月時点でまとめています。
スペックは会場で示された資料を一次情報とし、価格は同資料に記載された2026年5月27日時点の表示を掲載しています。
今回の展示は、OmniBookの「Ultra」と「X」

説明会の前半は、日本HPの吉川直希さんが登壇し、OmniBookブランドの解説から始まりました。HPは個人向けノートPCを「OmniBook」に統合し、上からUltra、X、7、5、3という階層に分けています。
各グレードには、想定ユーザー像がはっきり結びつけられています。最上位のUltraは、テクノロジー愛好家やクリエイター向けの位置づけです。トップクラスの性能とデザイン、最新のAI技術を載せる最上位ラインです。
続くXは、ファッション性や機能美を求める層に向けた、スタイリッシュで携帯性の高いシリーズと説明されました。
私が今回の説明会で大きく理解できたのは、数字の階層よりもUltraとXの役割分担です。

2025年モデルでは、Ultra側にもFlip系の2-in-1があり、XにもX Flipがありました。当時の2-in-1上位モデルはUltra X Flipで、X Flipとの違いが一般ユーザーには少しわかりにくかったかもしれません。2026年はUltraがクラムシェルに整理され、2-in-1はXが担う構成になっています。
ここで、最近レビューしたX Flipのスタンダードモデルとパフォーマンスモデルの違いも腑に落ちました。同じX Flipでも、ディスプレイやCPU性能の差が大きく、私は同じブランドの中にかなり性格の違う2台があるように感じていました。
当初はUltra X Flipがまだ残ると思っていたので、Xの高性能モデルがUltra系とバッティングするのではないかと勘違いしていました。
今回の説明で、Xの高性能モデルこそが2-in-1側の上位ポジションを担うのだと理解できました。
HPは2026年に、Ultraは薄型クラムシェル、Xは2-in-1というブランド整理をかなりはっきり打ち出してきた印象です。
2025年にHP 14 / 15だったラインもOmniBook 3として整理されることで、下位モデルを含めた構成もよりシンプルになります。
OmniBook XとOmniBook Ultraの解説

すべてNPU性能40 TOPS超のCopilot+ PCにあたります。
| モデル | プロセッサー | NPU | 形状・厚さ | 重量 | 堅牢性 | 価格(税込) |
| OmniBook X Flip 14-kc | AMD Ryzen AI 400シリーズ | 最大50 TOPS | 360°回転2-in-1 | 約1.40kg | MIL-STD-810H 11項目 | ¥218,900〜 |
| OmniBook X Flip 14-kb | Intel Core Ultra シリーズ3 | 最大50 TOPS | 360°回転2-in-1 | 約1.39kg | MIL-STD-810H 11項目 | ¥249,700〜 |
| OmniBook Ultra 14-kg | Qualcomm Snapdragon X2シリーズ | 最大85 TOPS | クラムシェル/厚さ10.7mm | 約1.28kg | MIL-STD-810H 20項目 | ¥328,900〜 |
| OmniBook Ultra 14-kd | Intel Core Ultra シリーズ3 | 最大50 TOPS級 | クラムシェル | 約1.27kg | MIL-STD-810H 20項目 | ¥379,500〜 |
OmniBook X Flip 14
OmniBook X Flip 14は、画面が360度回転する2-in-1モデルです。AMD搭載の14-kcと、Intel搭載の14-kbが用意されています。
パフォーマンスモデルでは、最大3K OLEDタッチ、ペン対応、5MP IR AIカメラを備えます。仕事にも創作にも使いやすい構成です。
薄型ノートでは、USB Type-Cだけに寄せた構成も増えています。その場合、変換ハブを持ち歩く場面が出てきます。
OmniBook X Flip 14は、薄型でもHDMIやUSB Type-Aが用意されています。
変換アダプターなしで使える安心感があります。
OmniBook Ultra 14

OmniBook Ultra 14は、より薄さと軽さを重視した上位モデルです。Snapdragon X2搭載の14-kgと、Intel搭載の14-kdがあります。
特に14-kgは厚さ10.7mm、重さ約1.28kgとかなり軽量です。クラウドシェル調の天板も上質で、私は実機を持ったときにかなり薄く感じました。
堅牢性と冷却

HPは25,000時間以上の品質テストを行い、MIL-STD-810Hにも対応しています。
Ultra 14は20項目、X Flip 14は11項目のテストをクリアしています。
天板にはデュアルアノダイズド仕上げという、アルミ表面を二重にアルマイト処理する加工を採用しています。
見た目の上質さと、傷への強さを両立させる狙いだと説明されました。
冷却面で注目したいのは、Ultra 14だけに搭載されたスリム・ベイパーチャンバーです。小型ゲーミングノートに近い冷却設計です。
液体の蒸発と凝縮で熱を素早く拡散する薄型の冷却機構を、デュアルファンと組み合わせています。
10.7mmの薄さでこの冷却を入れてきたのは、かなり攻めた設計だと感じました。
画面と持ち運びやすさ
新しい65W USB Type-C GaN充電器は小型で、持ち運びやすいサイズです。画面は最大3K OLEDタッチで、30〜120HzのVRRにも対応します。※構成によります。
HP Eye Easeにより、色味を大きく変えずにブルーライトを抑えられる点も魅力です。
1日中PCを使う人にとって、この機能はかなりありがたいと感じました。
HP Appの新機能

HP Appには、作業効率を上げる新機能が追加されています。Task Groupは、よく使うアプリの配置をまとめて呼び出せる機能です。
Screen Shiftは、画面やウィンドウ配置を一括で切り替えられます。
Look to Moveは、AIカメラで頭の向きを検知し、顔を向けた方向へカーソルやウィンドウを移動する機能です。従来はドラッグやWin+Shift+矢印で動かしていた操作を、視線ベースで肩代わりする仕組みです。
Look to Moveがかなり印象に残りました。
いわゆるアイトラッキングは、目や顔の動きからユーザーの意図を読み取る技術で、アクセシビリティ、ゲーム、車載UI、PC操作などの分野で研究・開発が進んでいます。
私自身、昨年の他メーカーや大学での取材でも、研究が進んでいる印象を受け、個人的にかなり注目している分野です。
AIを活用した機能で、最新モデルならではの使いやすさです。
Look to Moveは、その考え方をマルチディスプレイ環境のウィンドウ操作に落とし込んだ機能という印象でした。
ゲスト講演:Snapdragon X2シリーズの解説

後半は、クアルコムジャパンの内藤久善さんによるSnapdragon X2の解説でした。
Snapdragonは、スマートフォンで培った省電力設計をPCにも広げているArm系チップです。
ここでは、新しいSnapdragon X2で何が変わったのかに注目しました。
NPUは最大85 TOPSへ

今回のOmniBook Ultra 14-kgには、最大85 TOPSのNPUを備えたSnapdragon X2が搭載されます。
Copilot+ PCで重視されるAI処理を、クラウド任せにせずPC本体でこなすための性能です。
クアルコムの資料では、NPU性能は前世代比で最大78%向上と紹介されました。
Anything LLMでのテキスト生成は最大66%高速化、Stable Diffusionでの画像生成は最大70%高速化という説明もありました。
私が気になったのは、数字の大きさよりも実作業でどこまで体感できるかです。
CPUとGPUも大きく強化

CPUは第3世代Oryonを採用し、最大18コア構成です。
ブースト時には最大5.0GHzに達すると説明されました。
バッテリー駆動でも性能が落ちにくいという話もあり、外出先で使うPCとしてはかなり気になるポイントです。
GPUはAdreno X2になり、前世代比で最大2.3倍高速、最大36%高効率と紹介されました。
DirectX 12.2 UltimateやVulkan 1.4にも対応し、ゲーム対応の広がりも強調されていました。
ゲーム対応は2,500本以上へ

Snapdragon搭載PCで気になるのが、ゲームやグラフィック系アプリの対応です。
クアルコムは、2,500本以上の主要PCゲームに対応すると説明しました。
Steam、Fortnite、Xbox、Robloxへの対応も紹介されていました。
会場でForza Horizonを試したところ、思っていたよりかなり滑らかに動いていました。
正直、Arm搭載PCでゲームは厳しいという先入観が少し変わりました。
互換性はかなり現実的になってきた

Snapdragon搭載PCを選ぶとき、多くの人が気にするのは「手持ちのアプリが動くのか」という不安です。
クアルコムが示したのは、X Elite導入時とX2導入時を比べた進化幅です。
| 区分 | X Elite導入時 | X2導入時 | 増加 |
| ネイティブアプリ | 300+ | 1,800+ | 6倍 |
| 互換性検証済みアプリ | 1,000 | 6,700 | 6.7倍 |
| ゲーム | Top 200 | 2,500+ | 12倍 |
| AI体験アプリ | 30+ | 100+ | 3.3倍 |
| 主要ITアプリ | 50+ | 170+ | 3.4倍 |
| プリンター | 50+ | 10,000+ | 200倍 |
内藤さんが大きな変化として挙げていたのは、ユーザーの使用時間の93%を占めるネイティブアプリが6倍に増えたことです。
現在のWindows on Arm対応アプリは、Works on WoAというサイトで確認できます。
特にプリンター対応が10,000以上に増えた点は、日常利用では大きい進化です。
日本市場で利用者の多い上位450本のアプリについても、95%以上の互換性を確認していると説明されました。
私の懸念は、アプリ本体だけでなく、そこで使っているプラグインまで動くかどうかです。
多くのユーザーは、自分に合う拡張機能やプラグインを組み合わせて作業を効率化しています。
たとえば、Blenderのプラグインは作業効率を大きく上げてくれます。
インフラ整備に欠かせないGIS系ソフトも同じです。
このあたりまで含めて確認できないと、実務で使えるデバイスかどうかは判断しにくいです。
一方で、AIや開発に強いユーザーなら、プラグインを自作して補える場面も出てくると思います。
どのユーザー層を狙うかで、評価が分かれるデバイスになりそうです。
実機で確かめたいポイント

数字を見る限り、Snapdragon X2はかなり実用的な世代に近づいています。ただ、私は互換性だけは実機で確かめたいと思っています。
昨年のモデルでは、Adobe Premiere Proのレンダリングで、ベンチマーク上は近い性能のPCでも、実時間では約2倍かかる場面がありました。
普段使っているアプリ、周辺機器、ゲーム、生成AIツールがどこまで自然に動くのか。
OmniBook Ultra 14-kgのレビュー時には、性能だけでなく互換性も重点的に検証します。
タッチ&トライの印象

会場では、Snapdragon X2搭載のOmniBook Ultra 14-kgを実際に試せました。
Forza Horizonも思ったより滑らかに動き、Arm搭載PCへの印象が少し変わりました。
少なくとも試した範囲では、グラフィックのカクつきやチラつきは目立ちませんでした。
薄さや軽さも、写真より実物のほうが説得力があります。
まとめ:AI PCは「学習」と「推論」で見方が変わる

今回の発表会で私がいちばん腑に落ちたのは、AI PCにも役割の違いがあるという点です。
同じ生成AI向けのチップでも、大規模モデルの学習や開発に強いものと、手元のPCで推論を動かすことに強いものがあります。
NVIDIAのDGX Sparkのような流れは、ローカルでAI開発や大きなモデルを扱う方向に見えます。
一方で、Snapdragon X2を搭載するOmniBook Ultra 14-kgは、日常の作業の中でAIを軽く、長く、安定して使うためのPCという印象でした。
文章生成、要約、翻訳、画像処理のような推論処理を、クラウドだけに頼らず手元でこなす世界です。
私自身、ここが今回の説明会でかなり整理できた部分でした。
Windows on Armは、これまで互換性の不安が先に立つ存在でした。
ただ、Snapdragon X2では性能だけでなく、アプリやプリンター、ゲーム対応の広がりも強く打ち出されていました。
これから気になるのは、NVIDIAやQualcommのような各社のAIチップが、Windows PCの世界でどう棲み分けていくのかです。
学習や開発に強いAIマシンと、毎日の作業に寄り添うオンデバイスAI PC。
その2つの方向が見えたことが、今回の発表会でいちばん面白かった点です。
OmniBook Ultra 14-kgを実機で試すときは、単なるベンチマークだけでなく、普段の作業でAI PCとしてどこまで自然に使えるのかを確かめたいと思います。